JaSTAR Studyの概要及び実施施設

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1.研究目的

代表的な抗リウマチ薬(DMARDs)であるブシラミン、サラゾスルファピリジン、メトトレキサートの3剤併用療法の関節リウマチ(リウマチ)に対する有効性と安全性をTNF阻害作用を有する生物学的製剤(エタネルセプト、インフリキシマブおよびアダリムマブ)とメトトレキサートとの併用療法と比較検討します。

2.臨床研究開始に至った背景

 リウマチ患者さんの治療は近年の生物学的製剤の登場により、リウマチ症状や関節破壊さらにそれに伴う機能障害を抑えることが期待できるようになってきました。しかし、生物学的製剤も全てのリウマチ患者さんに対して有効ではなく効果が現れない患者さんもあります。さらに、従来のDMARDsに比較して薬剤費が高く、重篤な副作用の報告もあります。欧米ではこのような生物学的製剤が使用しづらい患者さんにサラゾスルファピリジン、メトトレキサートおよびハイドロキシクロロキン(日本では未承認)のDMARD3剤の併用療法が試されることが少なくありません。最近、米国で生物学的製剤療法とこの3剤同時併用療法とを比較した臨床研究ではそれらの抗リウマチ効果と健康度(HAQ)において両群で差がないという報告がされています。また、DMARD3剤併用は薬剤費が生物学的製剤に比較して安価であることや安全性も比較的保障されていることから米国のリウマチ学会では予後不良が予測されるリウマチ患者さんの治療においてその使用が推奨されています。
 しかしながら、日本国内においてはハイドロキシクロロキンが承認されていないため、ブシラミンをハイドロキシクロロキンに置き換えたDMARD3剤併用療法を生物学的製剤(TNF阻害薬)と比較することにしました。試験実施に当たり日本リウマチ実地医会に参加する全国のリウマチ専門施設(末表)の医師主導で、ブシラミン、サラゾスルファピリジン、メトトレキサートの3剤併用療法と生物学的製剤(TNF阻害剤:エタネルセプト、インフリキシマブおよびアダリムマブ)とメトトレキサートとの併用療法をリウマチ患者さんに対して有効性と安全性を比較検討することになりました。

3.対象となるリウマチ患者さん

関節リウマチと診断されてから3年未満の患者さんでこれまでブシラミン、スルファサラゾピリジン、メトトレキサートによる単剤療法もしくはこれらのうちの2剤による併用療法により疾患のコントロールが不能と担当医が判断したリウマチ患者さん(コントロール不能はDAS28>3.2を指標として判断する)を対象とした試験です。ただし、これまでに生物学的製剤の治療を受けられた経験のない患者さんとします。

4.投与期間

1年間とします。
(2011年12月までに登録します)

5.有効性評価指標及び時期

治療開始および3ヶ月、6ヶ月目、12ヶ月目にDAS28をはじめ有効性を評価する試験項目を測定します。
(DES28:両手の炎症性関節数とCRPおよび赤沈)

6.実施スケジュールおよび全体イメージ

患者さんの同意取得時に確認した患者の選択に従い2群に振り分ける

実施スケジュールおよび全体イメージ
JaSTAR Study 参加施設
所在地施  設
北海道 北海道整形外科記念病院
片山整形外科リウマチ科クリニック
佐川 昭リウマチクリニック
おおにし内科・リウマチ科クリニック
岩手 吉田整形外科リウマチ科クリニック
宮城 東仙台リウマチ科内科クリニック
福島 西間木医院
群馬 井上病院
埼玉 埼玉脳神経外科病院 整形外科リウマチ科
千葉 紫苑会 たかはしクリニック
戸叶医院
豊流会ツチダクリニック
神奈川 新横浜山前クリニック
富山 松野リウマチ整形外科
東京 聖路加国際病院 アレルギー・膠原病科
紀尾井町メディカルクリニック
所在地施  設
東京 よしだ内科クリニック
世田谷リウマチ膠原病センター
安倍内科医院
富士森内科クリニック
静岡 みやもと医院
京都 万波整形外科
滋賀 西岡リウマチ・整形外科医院
兵庫 阿部整形外科リウマチ科クリニック
橋本整形外科リウマチクリニック
松原メイフラワー病院
広島 東広島記念病院
山口 防府整形・リウマチクリニック
福岡 生野リウマチ整形外科クリニック
ピーエスクリニック
近藤リウマチ・整形外科クリニック
大分 織部リウマチ科内科クリニック